
BELS認定とは何か知っていますか?ZEH住宅との違いや費用も解説
新築や中古一戸建て、注文住宅やマンション、リフォームを検討中の方にとって、「BELS認定」や「ZEH住宅」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。しかし、それぞれ何が違うのか、どちらが自分に向いているのか悩んでいませんか?この記事では、BELS認定とZEH住宅の制度や特徴、費用の目安、さらにはメリット・デメリット、有効期間まで丁寧に解説します。失敗しない住まい選びのために、ぜひ最後までご覧ください。
BELS認定とZEH住宅の基礎知識とその違い
BELS(建築物エネルギー性能表示制度)とは、建築物の省エネルギー性能を第三者機関が評価し、★(星)の数や外皮性能などの指標で表す制度です。これにより、専門知識がない方でも性能の高さをひと目で理解できるメリットがあります。評価対象には一次エネルギー消費量や外皮性能(UA値・ηAC値)が含まれ、高評価は信頼性の高い制度による評価として資産価値にも寄与します。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)住宅とは、高断熱・高効率設備に加え、太陽光などの再生可能エネルギーの導入により、年間の一次エネルギー消費量収支を実質ゼロにする住宅です。創エネが必須である点が特徴です。
根本的な違いを整理すると、BELSは性能を評価・表示する「制度」であり、ZEHは高い省エネ・創エネ性能を備えた「住宅タイプ」です。BELSの最高ランク(星5つ以上)を取得し、ZEH基準を満たす住宅には、BELSラベルに「ZEH」の表示が可能になります。
以下に、それぞれの特徴をわかりやすく比較した表を示します。

| 項目 | BELS認定 | ZEH住宅 |
|---|---|---|
| 制度/住宅 | 省エネ性能を評価し表示する制度 | 省エネと創エネを両立した住宅 |
| 評価基準 | 星の数(1〜5+)/BEI、UA値など | BEI ≤ 0.8 且つ再エネ導入必須 |
| 創エネの要否 | 必須ではない | 必須 |
:BELSのランク・ZEHの種類、費用の目安
住宅・集合住宅の省エネルギー性能を示す指標として、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)とZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)には、それぞれランクや種類が設定されており、取得には一定の費用がかかります。
まず、BELSのランク表示についてご紹介します。BELSは新制度(2024年4月~)によって、再エネ設備の有無などに応じて星(☆)による7段階評価(☆なし~☆6)で省エネ性能を可視化します。☆5は最多取得ランク、☆6取得はまだ少数にとどまります 。これは省エネ性能を一目で伝えられる強みとなります。
次に、ZEHの種類(戸建て向け)と、集合住宅版のZEH‑Mについて整理します。戸建てでは、ZEHが創エネと省エネの両立で年間一次エネルギー収支ゼロを目指す基準です。Nearly ZEHは75%以上の創エネ、ZEH Readyは創エネ設備が未設置でも導入可能な設計、ZEH Orientedは省エネ20%以上を達成する基準です 。集合住宅向けのZEH‑Mでは、ZEH‑M(100%以上削減)、Nearly ZEH‑M(75%以上)、ZEH‑M Ready(50%以上)、ZEH‑M Oriented(20%以上)という4段階が定義されています 。
さらに、取得費用感については、BELSでは住宅(戸建て)の場合、200㎡未満で約44,000円、200㎡以上で約66,000円です。共同住宅では基本料金132,000円+戸当たり3,300円が目安です 。ZEH取得自体の工事費というよりは、認証申請にかかる費用で、実際の省エネ設備導入費用は別途必要となります。
以下に、内容をまとめた表を記載します。

| 区分 | 主なランク・種類 | 特徴・費用目安 |
|---|---|---|
| BELS(省エネ性能表示) | ☆なし~☆6(7段階) | ☆5が多数取得、☆6は少数。戸建て 44,000~66,000円、共同住宅 132,000円+戸当たり3,300円程度 |
| 戸建てZEH | ZEH / Nearly ZEH / ZEH Ready / ZEH Oriented | 創エネと省エネの度合いで分類。ZEHは収支ゼロ到達、Orientedは省エネ20%以上 |
| 集合住宅ZEH‑M | ZEH‑M / Nearly ZEH‑M / ZEH‑M Ready / ZEH‑M Oriented | 住棟全体の一次エネ削減を基準化(100%、75%、50%、20%以上) |
それぞれの制度には、それぞれ異なる目的と評価軸があり、導入には費用と効果を見極めた検討が重要です。自社物件を検討中の方にとって、どのランク・種類が最適かをご相談いただくことも可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
メリットとデメリットの比較
以下は、BELS認定とZEH住宅の取得に伴う主なメリットとデメリットを比較した内容です。それぞれの制度の特徴を分かりやすく整理し、ご自身の住宅計画に合った選択をサポートいたします。
| 項目 | BELS認定のメリット・デメリット | ZEH住宅のメリット・デメリット |
|---|---|---|
| メリット① | 第三者機関による星評価によって省エネ性能が誰にもわかりやすく可視化され、不動産の資産価値向上や補助金・税制優遇の申請に活用できます 。 | 光熱費の削減、家中の快適な温度保持、非常時の電力確保などが期待できます 。 |
| メリット② | エコ意識の高まりやブランド価値の向上につながり、マーケットでの信頼獲得に役立ちます 。 | 補助金制度が充実しており、建築費の負担を軽減できる可能性があります 。 |
| デメリット① | 申請には省エネ計算や書類提出が必要で、時間的・費用的負担がかかることがあります 。 | 初期費用が高くなり、太陽光発電や高断熱材などの導入コストが必要です 。 |
| デメリット② | 既存住宅では評価が低くなる場合があり、期待通りの効果が得られない可能性があります 。 | 設計やデザインの自由度が制限され、窓や屋根形状に制約が出ることがあります 。 |
この比較表からわかる通り、BELS認定は主に「省エネ性能の見える化」と「信頼性の確保」を目的とし、不動産としての価値向上や補助金制度との連携で費用面でのメリットが期待できます。一方、ZEH住宅は「エネルギー収支の実質ゼロ化」を目指し、居住者にとっての快適性や光熱費削減、災害対応力の向上など、実生活に直結したメリットが強く、補助金制度も活用できます。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の住宅購入や建築の目的に応じて最適な選択を検討されるのがおすすめです。
有効期間と導入を検討する際のポイント
以下は、BELS認定およびZEHに関して、有効期間や更新の要否、各種住宅検討時の視点を整理した内容です。
| 項目 | BELS認定 | ZEH表示 |
|---|---|---|
| 有効期間 | 評価機関の登録自体に有効期間あり(例:2024年4月1日~2029年3月31日) | 特定の「有効期間」は設けられていないが、補助金申請には期限が存在する |
| 更新の要否 | 建築物自体の評価には更新不要。評価機関は有効期間内のみ評価可能 | ZEH仕様を維持する限り表示可能。補助金活用の場合は関連制度の最新要件に準備が必要 |
| 検討時の視点 | 評価機関が有効期間内か確認し、信頼性のある第三者評価かどうか注目 | 補助金の公募期間や申請ステップ、費用対効果を把握することが重要 |
まず、BELS認定では直接“住宅自体に有効期間”が設定されるわけではありませんが、認証を行う評価機関には有効期間があります。例えば一般財団法人日本建築センターやビューローベリタスジャパンの場合、評価機関の登録有効期間は2024年4月1日から2029年3月31日までとなっており、その期間中に評価申請を行う必要があります。
次に、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)自体には“有効期間”はありません。ZEH仕様を満たしていれば、表示として継続可能です。ただし、ZEHに関連する補助金制度を利用する場合、公募期間や申請期限が厳密に定められており、たとえば令和7年度では新築ZEH補助金の公募が4月下旬から5月上旬、締切は11~12月頃とされる見込みである点に注意してください。さらに、ZEH改修などの別制度でも、公募期間が具体的に設定されています。
新築一戸建て、中古住宅、注文住宅、マンション、リフォームといった各購入検討層にとっては、以下のポイントを押さえておくと効果的です。
- 建築時点で信頼できるBELS評価機関が有効かどうかを確認し、第三者評価による省エネ性能の見える化を確保する。
- ZEHを目指す場合は、創エネ・省エネの両立が必要であることを踏まえたコストと光熱費削減効果を比較する。
- 補助金のスケジュール(公募開始・締切)を前もって把握し、申請漏れや制度変更に備える。
最後に、より詳しい相談や評価手続きについては、お気軽にお問い合わせください。住宅の省エネ性能評価や補助金申請のサポートにも対応しております。
まとめ

BELS認定とZEH住宅は、いずれも住宅の省エネ性能を見える形で評価する大切な基準です。BELSは省エネ基準への適合度を示し、ZEH住宅は創エネと省エネ双方の視点から快適な暮らしを目指します。それぞれに費用やメリット・デメリットがあり、導入には事前の比較やライフスタイルに合った検討が欠かせません。住まい選びやリフォームの際には、資産価値や将来を見据えた性能評価にぜひご注目ください。