市街化区域と市街化調整区域の違いは?マイホームや土地活用で後悔しないための基礎知識の画像

市街化区域と市街化調整区域の違いは?マイホームや土地活用で後悔しないための基礎知識

早乙女 優

筆者 早乙女 優

不動産キャリア5年

お客様一人ひとりに寄り添い、丁寧なご対応を心掛けております。
よろしくお願いいたします!

マイホーム購入や土地活用を考えるとき、同じ土地でも市街化区域か市街化調整区域かによって、建てられる建物や将来の資産価値が大きく変わります。
しかし、名称は聞いたことがあっても、具体的な違いや注意点までは分かりにくいものです。
そこでこの記事では、都市計画法にもとづく市街化区域と市街化調整区域の基本から、建築や開発のルール、固定資産税や地価などお金の面まで、順を追って分かりやすく解説します。
これから住宅用地を探したい方はもちろん、相続した土地の活用を検討している方にも役立つ内容です。
読み進めることで、自分の目的に合ったエリア選びのポイントが整理でき、後悔しない判断につなげやすくなるはずです。
まずは、市街化区域と市街化調整区域の根本的な違いから一緒に確認していきましょう。

市街化区域と市街化調整区域の基本的な違い


市街化区域と市街化調整区域は、いずれも都市計画法にもとづき都市計画区域の中で定められる区域です。
都市計画法第7条では、市街化区域を「すでに市街地を形成している区域」や「おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」と位置づけています。
一方で、市街化調整区域は、同じ都市計画区域内で「市街化を抑制すべき区域」として定められる区域です。
このように、両者は同じ都市計画法にもとづきながら、市街化を進めるか抑えるかという役割が対照的である点が特徴です。

区域区分の制度は、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に分けることで、無秩序な市街化を防止し、計画的なまちづくりを進めることを目的としています。
国土交通省の解説でも、区域区分は良好で安全な市街地の形成と無秩序な市街化の防止を図る仕組みとして位置づけられています。
もし区域区分がなければ、住宅や店舗、工場などがばらばらに立ち並び、道路や上下水道などの基盤整備も非効率になってしまいます。
そこで、どこを重点的に市街地として整備し、どこは市街化を抑えて土地利用を調整するのかを、あらかじめ都市計画で決めておくことが重要になるのです。

市街化区域と市街化調整区域の根本的な違いは、「市街化を促進する区域」と「市街化を抑制する区域」という点にあります。
市街化区域は、将来を見据えて計画的に市街地を拡大し、住宅や商業、公共施設などを集中的に整備していくことが前提となる区域です。
これに対して市街化調整区域は、農地や森林などの保全、災害リスクへの配慮、インフラ整備の効率性などを踏まえ、市街化をできるだけ抑える区域として扱われます。
そのため、マイホーム購入や土地活用を検討する際には、自分の検討している土地が、どちらの区域かを最初に確認することが非常に大切です。

区分 市街化区域の基本的性格 市街化調整区域の基本的性格
都市計画法上の位置づけ 市街化を図るべき区域 市街化を抑制すべき区域
市街地整備の方向性 おおむね10年以内の計画的市街化 無秩序な市街化防止と土地利用調整
まちづくりでの役割 住宅や施設を集中的に整備 農地等の保全やインフラ負担抑制

市街化区域と市街化調整区域で変わる建築・開発のルール


市街化区域は、道路や上下水道などの都市基盤が計画的に整備され、住宅や店舗、事務所など多様な建物が建てやすい区域です。
この区域では、原則として用途地域が定められ、建ぺい率や容積率、高さ制限などのルールに従えば、一定の範囲で自由に建築が可能です。
こうした仕組みにより、良好な住環境や利便性の高い街なかを効率よく形成していくことが期待されています。
一方で、建物同士の調和や安全性を確保するための細かな規制もあるため、計画段階で専門的な確認が重要になります。

これに対して、市街化調整区域は「市街化をできるだけ抑える」ための区域であり、原則として新たな建物の建築や用途変更が厳しく制限されています。
都市計画法では、市街化調整区域内で認められる建築行為を限定的に列挙しており、自己用住宅や農業用施設、公共施設など、一定の要件を満たす場合に限って例外的に許可されます。
また、自治体ごとに定める開発許可等審査基準や条例により、敷地面積や建物規模、立地場所などの細かな条件が設けられているのが一般的です。
そのため、市街化調整区域内で建築を検討する際には、事前に自治体窓口で個別の要件を確認することが欠かせません。

建築や宅地造成などの「開発行為」を行う際には、都市計画法にもとづく開発許可制度が関わってきます。
この制度は、良好で安全な市街地の形成と無秩序な市街化の防止を目的としており、市街化区域と市街化調整区域とでは許可の考え方が大きく異なります。
一般に、市街化区域では一定規模以上の開発について「市街地環境にふさわしいか」を中心に審査されるのに対し、市街化調整区域では「そもそもその場所で開発を認める必要性があるか」が厳しくチェックされます。
この違いが、同じ面積の土地であっても、区域によって建築のしやすさや将来の活用可能性に大きな差を生む要因になっています。

区分 市街化区域の建築・開発 市街化調整区域の建築・開発
建築の基本方針 市街化を積極的に促進 市街化を原則として抑制
用途地域と規制 用途地域で細かく制限 用途地域なしで厳格制限
開発許可の考え方 環境や安全面を中心審査 立地必要性を厳格に審査

固定資産税・地価などお金の面での市街化区域との違い


市街化区域と市街化調整区域では、同じ面積や地目であっても、一般的に地価や資産評価の水準に差が生じやすいとされています。
市街化区域は道路や下水道など都市計画事業が集中的に行われるため、利便性が高く、その分土地の需要や価格が高まりやすい傾向があります。
一方で、市街化調整区域は市街化を抑制する区域であり、建築や開発が制限されることから、宅地としての利用価値や市場での取引価格が相対的に低くなりやすいと考えられます。
ただし、評価額や実際の取引価格は、個別の立地条件や利用状況によって大きく異なるため、具体的な金額は各自治体の評価や市場動向を確認することが重要です。

固定資産税は、毎年の評価額に税率を乗じて算出されるしくみで、多くの自治体で土地と家屋に一律の標準税率を設けています。
一方、都市計画税は都市計画事業の財源とされており、国土交通省の資料や各自治体の案内では「都市計画法で定められた市街化区域内の土地・家屋」が課税対象と説明されています。
このため、同じ自治体内でも、市街化区域では固定資産税と都市計画税の両方が課税されるのに対して、市街化調整区域では通常、固定資産税のみが課税され、都市計画税は課税されない取扱いが一般的です。
結果として、評価額が同程度であっても、市街化調整区域の方が毎年の税負担総額は小さくなる傾向があります。

また、農地などの土地については、市街化区域と市街化調整区域で評価方法が異なる場合があり、負担額に大きな差が生じることがあります。
国土交通省の資料では、市街化区域内の農地は宅地並みの評価が行われる一方、市街化調整区域内の農地は農地としての評価となり、固定資産税が相対的に低く抑えられる傾向が示されています。
住宅地として利用する場合でも、上下水道や道路の整備状況によって、引き込み工事費や造成費など初期費用が大きく変わるため、税負担だけでなく、インフラ整備にかかる費用を含めて総額で比較することが大切です。
購入や建築を検討する際には、自治体の税担当部署や都市計画担当窓口で、評価額や税の種類、今後の区域区分の見直し予定などを事前に確認しておくと安心です。

項目 市街化区域 市街化調整区域
地価・評価の傾向 利便性高く評価高め 利用制限大きく評価抑制
固定資産税の負担 評価高く税負担増加傾向 評価低めで税負担抑制
都市計画税の有無 課税対象となる区域 原則として非課税区域
住宅利用時の総費用 税負担大きいが整備済み 税負担小さく整備費増加

マイホームや土地活用で市街化区域・調整区域を選ぶときのポイント


市街化区域と市街化調整区域を比較するときは、それぞれの区域が持つ役割を踏まえたうえで、メリットとデメリットを整理することが大切です。
市街化区域は、都市計画にもとづき計画的に市街地として整備していく区域であり、道路や上下水道などの都市基盤を効率的に整えることが想定されています。
一方で、市街化調整区域は無秩序な市街化を抑制し、農地や自然環境などを保全することを主な目的とした区域とされています。
そのため、マイホームや土地活用の場面では、利便性の高さを優先するのか、環境や広さなどを重視するのかによって、どちらが適しているかが変わります。

市街化区域を選ぶ場合、一般に公共交通機関や生活利便施設がまとまりやすく、上下水道や道路などのインフラ整備も進みやすいという利点があります。
また、都市計画法にもとづく区域区分の仕組みにより、今後も計画的に市街化を進めていく前提で都市づくりが行われるため、一定の需要が見込みやすい点も特徴です。
一方で、地価や固定資産税、都市計画税などの負担が比較的高くなりやすく、敷地面積あたりの取得費用が大きくなる傾向があります。
このように、日々の暮らしや通勤、子育てなどで利便性を重視する場合には市街化区域が候補になりやすい一方、費用負担とのバランスをよく検討する必要があります。

市街化調整区域を検討する場合は、静かな住環境や広い敷地を確保しやすい一方で、都市計画法にもとづき原則として新たな建築や開発が制限されていることを十分に理解しておくことが重要です。
国土交通省や自治体の解説では、市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域とされ、開発許可制度を通じて例外的な建築の可否が審査される仕組みとなっています。
そのため、マイホームを建てることができるのか、将来にわたり増改築や用途変更が可能なのかなど、個別の土地ごとに条件を確認しなければなりません。
また、将来的な資産価値や処分のしやすさも、市街化区域と比べて差が生じる可能性があるため、長期的なライフプランに合わせて慎重に判断することが求められます。

比較項目 市街化区域のポイント 市街化調整区域のポイント
建築や開発のしやすさ 原則建築可能・用途地域指定 原則抑制・例外的許可
生活利便性やインフラ 公共交通や施設が集積 生活施設や交通が限定的
将来の資産性や売却 需要見込みやすい傾向 流通性に注意が必要

具体的な購入や建築を検討する際には、まず対象地がどの区域に含まれているかを、都市計画図や自治体の窓口で確認することが大切です。
都市計画法では、土地の権利者が自らの土地が市街化区域か市街化調整区域かを判断しやすいよう、区域区分を分かりやすく表示することが求められています。
あわせて、開発許可制度の運用方針や、市街化調整区域における例外許可の基準などは、自治体ごとに条例や審査基準が定められているため、事前に窓口で詳細を確認することが重要です。
そのうえで、市街化区域と市街化調整区域の違いが、将来の暮らし方や資金計画にどのような影響を与えるかを整理し、自分たちの優先順位に合った土地選びを進めていただくことをおすすめします。

まとめ


市街化区域と市街化調整区域の違いは、暮らしやすさだけでなく、建築の可否や税金、将来の資産価値にも直結します。
名前は似ていますが、「市街化を進める土地」と「市街化を抑える土地」という役割は大きく異なります。
ご自身だけで判断してしまうと、思わぬ建築制限や負担増につながるおそれもあります。
当社では、気になる土地が市街化区域か市街化調整区域かを丁寧に確認し、お客様の計画に合う活用方法や注意点をわかりやすくご説明いたします。
マイホーム購入や土地活用でお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら